この記事では、日本国の発行する債券の1つである『個人向け国債』についてご紹介したいと思います。この個人向け国債は、通常の国債と同様に利子と元本の支払いが国によって責任を持って行われますので、一般的には国内で購入する事のできる金融投資商品の中では最も安定性の高いものの1つと言っても過言ではないと思います。
個人向け国債 商品の概要
投資商品の中ではメジャーなものの1つであると言える個人向け国債。実は、たっちゃんの配当金生活のポートフォリオの中で、個別の商品としては一番多い金額を投資しているのが個人向け国債なのです。この記事を執筆している2018年2月発行分の個人向け国債の利率は0.05%~0.06%と非常に低くなっているので、米国債などに浮気したいという気持ちはあるのですが、今の所は国内:海外=1:1という投資方針(下記記事もご参照ください)を守って、一定量は個人向け国債に投資しています。
個人向け国債 普通の国債との違い
さて、個人向け国債は実は比較的新しい商品でありまして、その登場は2003年のことです。元々、個人向け国債ではない普通の国債についても、郵便局や証券会社などで取扱いはなされており、個人でも購入する事が出来たのですが、その購入単位は5万円からであり、1万円から購入できる個人向け国債に比べると買いにくい商品であったと思います。
また、普通の日本国債は実は『時価の変動する商品』ですので、途中で換金したくなった時に値上がりしていることもありますし、値下がりしていることもあるのです。しかしながら、個人向け国債については普通の国債と違いまして、中途換金する時に時価が変動しないこととなっています。
個人向け国債 最低金利の保障について
また、最近は通常の国債の利回りがマイナスになってしまっているという事を、ニュースで見た事があるという方もいらっしゃるのではないかと思います。そのため、一部の期間が短い普通の国債は販売が中止されてしまいましたよね。しかしながら、個人向け国債の場合は、最低金利0.05%は保証されているため、今のような超低金利下の状況でも最低限の利回りを確保することはできます。
個人向け国債 発行の頻度について
個人向け国債はどういうタイミングで購入する事ができるのか、気になる方もいらっしゃるのではないかと思います。実は、以前は年に4回の発行の時代があり、購入したいと思ったときにスグに買えないというのが定番のオチだったのですが、2013年の12月からは毎月発行がはじまりまして、購入したいと思ったときに概ね購入できる体制が整った事になります。ただ、毎月の発売日がその月の1日ではありませんので、毎月何日かは購入できない日があります。
個人向け国債 購入できる場所
個人向け国債はどこで購入できるのか、気になる方もいらっしゃるのではなでしょうか。実は、個人向け国債は各種証券会社はもちろんのこと、郵便局や、ほとんどの銀行でも購入する事ができます。個人向け国債は購入してみたいけれども、証券会社に口座を開くのはちょっと・・という方は、まずは銀行で個人向け国債デビューしてみるのはいかがでしょうか。ただ、後述するように大手証券会社であれば、個人向け国債キャンペーンを実施している事が多いので、可能であれば大手証券会社で購入する方が得をする場合が多いですね。
個人向け国債 2018年2月分の募集状況
第93回 個人向け国債(固定3年)
- 利率:0.05%
- 発行日:2018年3月15日
- 償還日:2021年3月15日
- 発行価格:額面100円につき100円
- 利子支払:3月および9月の各15日
第83回 個人向け国債(固定5年)
- 利率:0.05%
- 発行日:2018年3月15日
- 償還日:2023年3月15日
- 発行価格:額面100円につき100円
- 利子支払:3月および9月の各15日
第95回 個人向け国債(変動10年)
- 初回利率:0.06%
- 発行日:2018年3月15日
- 償還日:2028年3月15日
- 発行価格:額面100円につき100円
- 利子支払:3月および9月の各15日
- 発行日から1年未満の場合は中途換金をすることができません。
- 中途換金をする場合は、直近2回分の利子相当額が差し引かれた上で換金されます。
- 3年もの、5年ものは満期償還まで固定金利となります。
- 10年ものの利率は半年毎に適用利率が変わる変動金利制度となります。ただし、その利率は0.05%を下回る事はありません。
また、記事の前半でも述べたように通常の国債は利回りの変動に応じて、価格が変動するのが通常です。一般的に、市場で流通する国債の利回りが高くなれば、もともと保有していた国債の価格は下落してしまうんですよね。たとえば、今新規で国債を買えば利率3%なのに、昔発行された利率1%の国債が同じ値段であれば誰が買うのでしょうか?その事を想像すると分かりやすいのではないかと思います。個人向け国債であれば、その国債価格の変動がないというのが大きな利点の1つであると言えるでしょう。
個人向け国債 ひとくちコメント
さて、そんな感じでここまで商品の概要をご紹介してきた個人向け国債ですが、やはり2017年9月現在の利率0.05%(10年変動)というのは魅力に欠けると思います。それでも、ポートフォリオのバランス上国内債券は19%保有する事にしており、さらに国内債券は個人向け国債以外にろくな商品がないので、結果的に国内債券のほとんどが個人向け国債になってしまうんですよね。2017年9月現在では、合計3,650万円分の個人向け国債を抱えてしまっています。
個人向け国債 たっちゃん独自レーティング
★★☆☆☆
このレーティングはたっちゃんの保有する全銘柄の中で概ね
- ★★★★★:含み損益上位20%まで
- ★★★★☆:含み損益上位40%まで
- ★★★☆☆:含み損益上位60%まで
- ★★☆☆☆:含み損益上位80%まで
- ★☆☆☆☆:含み損益下位20%
となるように計算したものです。時価の変動のない個人向け国債をレーティングすることに意味はあるのか?と疑問に思ったのですが、それでもポートフォリオの保有銘柄の1つですので、機械的に格付を行う事にしました。当然個人向け国債の損益はプラスマイナス0ということになるのですが、その場合、私のレーティングではギリギリ★★☆☆☆ということになります。つまり、全銘柄の中で2割程度がマイナスということなんですよね。
個人向け国債 2018年2月の大手証券会社キャンペーン情報
野村證券の2018年2月の個人向け国債キャンペーン
SMBC日興証券の2018年2月の個人向け国債キャンペーン
大手3社のうち、野村證券とSMBC日興証券の個人向け国債キャンペーンの内容はほぼ同一となっています。一時期、野村證券だけ他の大手証券と比べて還元率がイマイチという時期もあったのですが、それだと集客に影響があったのか、今回のキャンペーンから3社でほぼ横並びとなっていますね。
大和証券の2018年2月の個人向け国債キャンペーン
大和証券の2017年9月分の個人向け国債キャンペーンは上記のようになっています。SMBC日興証券等との違いとしては、条件が100万円以上から5年債と10年債で分かれていますね。5年債で1,000万円未満の場合は、SMBC日興証券等よりも条件が悪くなってしまっていますが、それ以外の条件であればダイワのポイントがバックされる分だけSMBC日興証等券よりも気持ちだけ良い条件となっています。