子供が生まれたことを機に、少しは社会復帰しようかと思い勉強をし始めた税理士試験。しかしながら、子供が小さいころは子育てに大変そうな嫁をほったらかしにして勉強するのに気が引け、なかなか勉強が進みませんでした。それでも、なんとか2016年の試験で簿記論と財務諸表論に合格。
その後、2人目の子供が生まれたので、2回目の受験はしばらくお預けとなりますが、子供が4歳&2歳となった2019年夏。子育てがだいぶ楽になってきたので、この1年だけはびっくりするほど時間をもらって、一気に3科目(所得税法&消費税法&住民税)の合格を目指すことになります。
目次
そもそも税理士試験ってどんな試験? 会計士と比較しながらご紹介
税理士試験の受験科目 全11科目中5科目受験
- 簿記論(必須)
- 財務諸表論(必須)
- 法人税法(所得とどちらか必須)
- 所得税法(法人とどちらか必須)
- 相続税法
- 消費税法
- 酒税法
- 固定資産税
- 事業税
- 住民税
- 国税徴収法
公認会計士試験の受験科目 だいたいこんな感じです
- 簿記
- 財務諸表論
- 管理会計論
- 企業法
- 監査論
- 租税法
- 経営学
たっちゃん 2019年の税理士試験を振り返る
さて、2016年に簿記論・財務諸表論に合格し、税理士試験の最終合格まで残り3科目となっていた私たっちゃん。2019年8月の試験では、一気に最終合格を目指して、欲張って3科目(所得税法&消費税法&住民税)も受験することになります。
3科目受験していたからといって、1科目あたりの勉強の完成度が低いというわけではなく、[4319]TACの税理士試験講座で与えられる教材はほぼやりきったという印象です。
それでも3科目受験は結構大変で、直前期テスト演習では消費税法は上位1割くらい、住民税は平均点くらいの成績でした。しかし、選択必修科目の所得税だけはなんとか合格しようと思い、理論マスター(試験に出る法律を覚えやすくまとめたもの)をほぼ全部覚え、直前期のテスト演習では1桁順位が定位置となっていました。
2019年税理士試験 1日目 消費税法
そういう状況で迎えた2019年8月の税理士試験。1日目は消費税法の試験でした。消費税法には普通の税金の計算方法である「原則課税」と中小企業者向けの「簡易課税」という計算方法があり、税額を計算する問題で、最近この2題構成が続いていたので、ほとんどの方がその構成が続くと思っていたのではないでしょうか。
しかしながら、蓋を開けてみると「原則課税」とセットで聞かれたのは「納税義務の判定」の問題。この問題は、予備校の教材に載っていないような難しいもので、後から振り返るとここでラッキーパンチで正解しまくったのが消費税法の合格につながったんだと思います。
覚えた法律の内容を答える理論問題では、なんと毎年計算で出題されていた「簡易課税」の問題が登場。これは、虚を衝かれたという方が多いのではないかと思います。しかしながら、なんとか聞かれたことに答えて無難にまとめました。
2019年税理士試験 2日目 所得税法
税理士試験2日目は所得税法の試験です。所得税法は[4319]TACの計算問題の教材を隅から隅までマスターし、理論マスター(試験に出る法律を覚えやすくまとめたもの)も数ページを除いてほとんど覚えるという万全の体制で臨みました。
しかし、試験に出た理論問題は「債務免除益の取り扱い」と「国外財産調書と財産債務調書」という隅っこ論点。見た瞬間「落ちたわ」と思いましたが、冷静になるとそう思ったのは受験生のほぼ全員のはず。こういう時は、なんとか書けることを書こうという先生の教えに従いました。
とはいえ、理論マスターで覚えた大量の条文を書く部分はほとんどなく、なんとか作文で色々と書いてきました。後から振り返ると、ここで書いた作文が試験委員の方にはややイマイチだったのかもしれません。
税額を計算する計算問題の方は、量が多く難易度も高い問題でしたが、それでも[4319]TACの教材を隅から隅までマスター自分としては問題ない内容でした。解答に困るところはあまりなかったので、試験中に合格を確信するというフラグを立ててしまいます。
2019年税理士試験 3日目 住民税
そして、税理士試験3日目は住民税の試験。私は今年受験生の少ない沖縄会場で受験したのですが、全国で400人くらいしか受験しない住民税の試験の沖縄会場の受験者はたったの3人。かなりリラックスした環境で試験を受けられました。
今日は税理士試験の合格発表の日です。最終合格していると、官報に名前が載るのですが、自分は予想通り載っていませんでした。また、来年頑張ります。
添付の写真は今年の税理士試験住民税・沖縄会場の様子。受験生3人だと国家資格の試験とは思えませんね。これでも試験官の方は2人体制でした。 pic.twitter.com/tOw8Sp0wLj
— 高配当株で配当金生活 – たっちゃん (@TategakiTac) December 13, 2019
理論問題で問われたのは「配偶者控除や配偶者特別控除など」「退職所得の取り扱い」という超Aランク論点。理論マスター(試験に出る法律を覚えやすくまとめたもの)のうち、時間の関係で4分の1くらいしか覚えていなかった私でもちゃんと全部覚えていました。
そして、あとは計算問題でミスが少なければ合格じゃない?と思ったその問題が、これが税理士試験かと思うほど簡単な問題でした。家族5人の税額を求めるものなのですが、練習で解いてきた過去問の中でも歴史的な簡単さ。これはミスが許されないと思いながら、落ち着いて解きました。
たっちゃんの2019年税理士試験 受験結果
税理士試験3科目挑戦結果は消費税だけ合格でした。
TAC模試で7位の所得税は、試験中に合格を確信して落ちるというミラクル達成。漫画でいう死亡フラグだったのでしょう。
自己採点で一応合格ボーダーラインを超えていた住民税は35点しかなく、嫁と一緒にズッコケました。字が汚かったのでしょうか。 pic.twitter.com/dM0S04pDC7
— 高配当株で配当金生活 – たっちゃん (@TategakiTac) December 14, 2019
さて、そんな感じで終えた2019年の税理士試験から4ヶ月がたち、12月14日に試験結果が届きました。自己採点で家族5人中3人も税額を間違え「不合格確実です」と[4319]TACの先生に言われた住民税はともかくとして、他の2科目は受かっているかな?と期待してていたのですが、実際は消費税法だけ合格し、所得税法と住民税は不合格でした。
所得税法の方は合格点の60点に対し、55点ともうちょっとで合格というラインですが、住民税は35点という全く惜しくもない成績で嫁と一緒にズッコケました。
所得税法は理論も計算も満遍なくあちこちでミスをしていたのですが、普段の模試の感覚だとそれでも上位10%には入っているだろうと思ったのですが、そうは行かないのが税理士試験の難しさ。[4319]TACの教材&カリキュラムは合格するには十分だと思うのですが、消費税法のようにカンが次々と的中というラッキーがなかったのが敗因なのかもしれませんね。
たっちゃんの税理士試験 撤退宣言
そして、この合格発表を見た直後は来年2020年の税理士試験も受験しようと思っていたのですが、その後考え直して、これで税理士試験の受験から撤退することにしました。
まだ2回しか受験していないのに撤退は早すぎるんじゃない?というツッコミもあろうかと思いますが、正直なところ所得税法で今年の受験時点の実力を上回るのは難しく、他の科目でも同じレベルまで引き上げたとしても、当日うまく立ち回れずに不合格・・なんてこともありそうな気がしてまうんですよね。
記事の前半で述べたように税理士試験は科目合格制を採用しており、1科目あたりの求められるレベルは非常に高い試験です。その一方で、2時間の筆記試験は一発勝負なのでその問題の数は少なく、ちょっとの勘違いですぐに不合格になってしまうことも少なくありません。
一方、公認会計士試験は1回の試験で7科目全部受けるので、総合的に力をつけていればどこかで失敗しても、どこかでカバーして予備校での上位成績者の合格率は比較的高いのではないかと思います。東京大学や京都大学など科目数の多い大学入試と似ているのかもしれませんね。
税理士試験免除のための大学院に通うことにしました
ということで、このまま税理士になるのを諦めるのかというと、そうではありませんで、今後は「税理士試験一部科目免除のための大学院」に通うことにしました。
実は、税理士試験は一定の大学院に通って修士論文を書き、その審査に通れば一部の科目が免除される制度があります。その中に、税法科目2科目免除という制度もありまして、税理士試験で税法科目を2つ残している私は、その制度を利用すると税理士登録をすることが可能になるのです。
今から大学院を受けて、2年通ってということを思うと、おそらくは試験を受けた方が早い気もするのですが、人生の長さも限られているので、ここは確実性を取ることにしました。
と、思ったのですがやっぱり大学院は退学することにしました
上の節で述べたように、2020年4月に意気揚々と大学院に入学したたっちゃんですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、教室の授業は一切なく、また、他の生徒との交流もまったくないので、本来の大学院らしさというのは全く味わえませんでした。
税理士試験の科目免除を得るために大学院に通学中。
ただ、修士論文を書くための作業が
1⃣論文あつめ
2⃣読む
3⃣まとめるの繰り返しで[4319]TACの税理士講座に比べて面白さ一兆の一。それが修士論文なんでしょうけど、あまりにつまらないので退学する理由を考えています。https://t.co/LUvOPzQqIi
— 高配当株で配当金生活 – たっちゃん (@TategakiTac) September 3, 2020
また、論文を書く作業というのが上のツイートで述べたように全然面白くないんですよね。全然面白くなかったとしても、それが生活のためだと思うと耐えられるのですが、やはりもともと生活に困っているわけではないのに、無味乾燥な作業を延々と続けるのは苦痛だと思い、指導教官に退学の許可をいただきました。
さて、これで税理士を諦めるかというと、2020年9月まではそこまでは決まっていません。自分としては、そろそろ配当金生活を家族内には公言して堂々と引退したいと思っているのですが、すぐに公言するのは難しそうです。